睡眠呼吸障害専門外来

火曜・金曜午後 13:30~16:00  

いびき


良い眠りとれていますか?

わが国では、働く世代の3人にひとりが「眠り」になんらかの問題を抱えているといわれています。最近の研究では睡眠不足が、がん、心疾患、脳血管疾患、肥満、うつ症状など多くの疾患に結びつくことが明らかとなっており、耳鼻咽喉科疾患の中にも、睡眠呼吸障害だけでなく、めまい、突発性難聴、アレルギー性鼻炎など発症に睡眠が関連する疾患、あるいは睡眠中に病態が悪化する疾患が多く存在します。当科では睡眠呼吸障害を中心に睡眠医療の視点からも診療を展開しています。


睡眠時無呼吸症候群とは?

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(obstructive sleep apnea syndrome: OSAS)は睡眠中に1時間あたり5回以上の無呼吸・低呼吸が起こることによって睡眠が障害され、日中のひどい眠気、倦怠感、うつ傾向、イライラなどの症状が出る睡眠障害で、日本の男性労働者の17%が睡眠時無呼吸症候群であったという調査報告があるほど、有病率の高い疾患です。この病気になると、睡眠中の息苦しさによって夜中に何度も目覚めるため、睡眠の質が著しく低下します。そのため日中の眠気、認知機能や作業能力の低下およびQOL低下の原因となります。さらに近年の疫学研究により、高血圧、心血管疾患、糖代謝異常などを高頻度に合併することが明らかとなっています。一方、小児OSASは胸郭の変形やおねしょなどの原因となり、最近では注意欠陥多動性障害(attention deficit / hyperactivity disorder: ADHD)や、広汎性発達障害(pervasive development disorder: PDD) との関連性も注目されています。さらに顎顔面形態の成長、学業成績、心血管系にも影響をもたらすことも分かってきました。


出典 北村拓朗、宮崎総一郎 鼻アレルギーフロンティア 2012


睡眠時無呼吸症候群と肥満の負のスパイラル

睡眠不足になると、食欲を抑制するホルモンの分泌が減り、食欲を促すホルモンの分泌が増大します。そのため、さらに食べ過ぎて肥満が進みます。その結果呼吸障害が悪化し、睡眠の質がさらに悪くなるという悪循環に陥ります。この負のスパイラルから抜け出せなくなると、高血糖、高血圧、脂質異常症などのいわゆるメタボリックシンドロームや生活習慣病をも引き起こすと考えられています。


睡眠時無呼吸症候群かなと感じたら

睡眠時無呼吸症候群の特徴は大きないびきであり、診断の第一歩はいびきを自分自身の目と耳で確認することです。自分の寝ている姿をビデオに撮ってもらいましょう。最近はいびきを自動的に録音するスマホアプリもあるので、利用してもよいでしょう。あなたはどんないびきですか?眠ってすぐ大いびきをかく。往復でいびきをかく。いびきの音が高く、耳障りである。いびきの音が不規則である。息を吸おうとしたとき、胸がへこむ。寝汗が極端に多い。あえぐような呼吸をしているなど。このようないびきでは、呼吸に強い努力を必要としており、心肺などへの負担が心配されます。また明らかな無呼吸がなくても、浅い睡眠しかとれていない可能性がありますので、専門施設を受診して、睡眠ポリグラフ検査と呼ばれる精密検査を受けられることをお勧めします。

代表的な治療法としては、経鼻持続陽圧呼吸療法(ネーザルシーパップ)やマウスピース、耳鼻科的な手術などがあります。もし自分のビデオを見て「こんな自分を見るのはつらい」と感じた方は、早めの対処をお勧めします。